海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。『ビッグバン★セオリー』シーズン11第5話には、ハワードと共同研究に励むエイミーを横目に、取り残された寂しさを募らせるシェルドンが登場します。一方、バーナデットは育児に追われながら、ハワードの長時間労働に不満を抱えています。同じ「構ってもらえない寂しさ」でも、シェルドンはそれを理屈っぽい皮肉に変換して口にし、バーナデットやラージは飾らない直球の言葉でそのまま伝えます。この温度差を、この回の英語を追いながら見ていきます。
あらすじ(ネタバレなし)
『ビッグバン★セオリー』シーズン11第5話。エイミーの研究室でロボットアームの操作インターフェース開発が始まり、エンジニアとしてハワードが加わることになる。意気投合した二人は夜遅くまで実験を重ね、蚊帳の外に置かれたように感じたシェルドンは苛立ちを募らせていく。レナードとペニーは、バーナデットが置いていった育児書を使ってシェルドンへの接し方を工夫しようと試みる。同じ頃、夫が長時間労働で不在のなか、育児と仕事の締切に追われるバーナデットのもとをラージが訪ね、二人でその状況について語り合う。理屈に変換して間接的に訴えるシェルドン、飾らずそのまま言葉にするバーナデットとラージ。寂しさや苛立ちの表し方の違いが、この回の各シーンに表れる。
このエピソードで学べる英語フレーズ
1. could use
〜があると助かる、〜が欲しいところだという意味です。
Amy: You know, I could use an engineer on this project.
(実は、このプロジェクトにエンジニアがいると助かるのよね。)
ロボットアーム研究にエンジニアの手を借りたいと、エイミーが遠回しに助っ人を募る場面です。
2. join in
(進行中の活動に)加わることを表す表現です。
Sheldon: But now I’ll be able to join in and pound away.
(でも、これで僕も愚痴に加わって、ハワードをこき下ろせるようになるわけだ。)
ハワードとエイミーが組んで働いていると聞かされたシェルドンが、いつもはエイミーの愚痴を聞き流しているが今度は自分も加われると皮肉交じりに語るくだりです。
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3. what’s with
〜はどういうこと、〜は何なのという意味です。
Amy: What’s with the blinking?
(そのまばたき、何なの?)
モールス信号で目配せしてくるシェルドンに、エイミーがそのまばたきは何なのかと尋ねる場面です。
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4. grind away
根気よく作業し続けることを表す表現です。
Sheldon: I thought we could spend the evening grinding away on it.
(今夜もそれに根気よく取り組めたらと思ってね。)
疲れて帰ってきたエイミーに、シェルドンが二人の量子認知プロジェクトのノートを渡し、今夜も作業を続けようと持ちかけるやりとりです。
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5. give it a try
とりあえずやってみる、試してみるというニュアンスです。
Leonard: All right, I’ll give it a try.
(よし、ちょっとやってみるよ。)
育児書のアドバイスを頼りにシェルドンへの言い方を工夫しようと、レナードが本の助言を試してみる一幕です。
6. earn a break
休憩に値することをする、一息つく資格を得るという意味です。
Howard: Sounds like we’ve earned ourselves a break.
(これだけやれば、堂々とひと休みできるな。)
コードのコンパイルを待つあいだ、ハワードがひと休みしようとエイミーを誘う場面です。
7. read someone’s mind
人の心を読む、考えていることを言い当てる言い回しです。
Amy: You know, that’s your greatest magic trick, ‘cause you just read my mind.
(それってあなたの最高のマジックね、私の心を読んじゃうんだから。)
カード当てのマジックを見せた直後に音楽を流そうと提案するハワードに、エイミーが自分の考えを言い当てたことこそ最高の手品だと、マジックの話題に重ねて返す場面です。
8. put in hours
何時間も仕事(作業)に費やすという意味です。
Raj: Bernadette’s been feeling a little abandoned with all the hours that you’ve been putting in.
(バーナデットは、君がそれだけ長時間働いてることで、ちょっと寂しい思いをしてるみたいだよ。)
映画に誘いに来たラージが、長時間の作業でバーナデットが寂しがっていると、ハワードにやんわり忠告するくだりです。
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9. play on
人の弱みや感情につけ込むことを表す表現です。
Sheldon: Did you play on my well established gullibility to clean your house?
(君は、僕のよく知られた騙されやすさにつけ込んで、家の掃除をさせたのか?)
バーナデットに騙されて家事をさせられていたと気づいたシェルドンが、自分の信じやすさにつけ込んだのかと問い詰める場面です。
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10. a good point
いい指摘だ、もっともな意見だという意味です。
Penny: Yeah, that is a good point.
(うん、それはもっともね。)
育児書の言い方をシェルドンに試すペニーが、その訴えをいったん受け止めてみせる場面です。
このエピソードの英語学習ポイント
ここで取り上げたjoin inやplay onの場面では、シェルドンは寂しさや嫉妬を名指しする代わりに、理屈や皮肉を交えて不満を伝えています。ハワードとエイミーが組んで働いていると聞かされた場面では、”But now I’ll be able to join in and pound away.”(でも、これで僕も愚痴に加わって、ハワードをこき下ろせるようになるわけだ。)と、エイミーの愚痴に自分も加われると皮肉を口にしています。バーナデットに家事をさせられていたと気づいた場面でも、”Did you play on my well established gullibility to clean your house?”(君は、僕のよく知られた騙されやすさにつけ込んで、家の掃除をさせたのか?)と、傷ついたとは言わず、自分の性質を客観的に分析する言い回しで応じます。
これに対してラージは、ハワードに向かって”Bernadette’s been feeling a little abandoned with all the hours that you’ve been putting in.”(バーナデットは、君がそれだけ長時間働いてることで、ちょっと寂しい思いをしてるみたいだよ。)と、バーナデットの気持ちを代弁する形でまっすぐに伝えます。遠慮がちな前置きを挟みながらも、核心の言葉ははっきりと届く伝え方です。
レナードとペニーが育児書の言い方をそのままシェルドンに試す場面では、”Yeah, that is a good point.”(うん、それはもっともね。)と、いったん訴えを受け止めてみせる応答が返ってきます。相手の言い分をまず認める形の返答で、シェルドンの回りくどい訴えに応じています。
シェルドンは、土曜日まで研究をするエイミーとハワードについて、Can you believe them?と問いかけ、二人の行動への不満を伝えています。ラージがabandonedという語で寂しさを表す文と比べると、相手の行動を取り上げる問いと、気持ちを表す語の違いが見えてきます。
映像を見る際は、シェルドンの理屈を重ねる文と、ラージが寂しさを伝える文に耳を傾けてみましょう。同じように相手との時間を求める場面でも、理由を並べるか、気持ちを直接言うかで言葉の選び方が変わります。
キャラクター別|英語の特徴
シェルドン|苛立ちを理屈っぽい皮肉に変換して訴える話し方
エイミーとハワードが意気投合して実験に没頭する様子を見て、シェルドンは”And now they’re working on a Saturday? Can you believe them?”(これでまた、二人は土曜日まで一緒にいるのか?信じられるかい?)と、バーナデットに向かって不満をこぼします。「嫉妬しているのか」と問われれば否定しながらも、二人の行動を逐一あげつらうような物言いには、素直に認められない苛立ちがにじみ出ています。
家事をだまされてやらされていたと気づいた場面でも、シェルドンは自分の性質が利用されたのかという問いで応じます。「裏切られた」でも「悲しい」でもなく、自分の「騙されやすさ」という属性を俎上に載せる言い方は、気持ちを名指しする代わりに、相手がしたことと自分の性質を取り上げています。ただし、この回では怒りを直接言葉にする場面もあります。ペニーとの会話では、自分がとても怒っていると率直に伝えており、いつも感情を避けて語るわけではありません。
バーナデット|言いたいことを率直に言い切る話し方
夫の長時間労働の間、育児と自分の締切を抱えて家にいるバーナデットは、ハワードの働きぶりに不満をぶつけにきたシェルドンに”I’m really busy. I don’t have time to listen to you complain.”(本当に忙しいの。あなたの愚痴を聞いてる時間なんてないわ。)と、飾らずに言い切ります。忙しいことと、愚痴を聞く時間がないことを明確に伝えた一言です。
このバーナデットのはっきりした物言いは、心配して訪ねてきたラージとのやりとりでも顔をのぞかせます。最初は「ハワードは張り切っているし、私も誇らしい」と気丈に振る舞いますが、ラージに「お互いに嘘をつく必要はない」と水を向けられると、育児と仕事と妊娠が重なる本音をあっさり明かします。取り繕った言葉が一転してはっきりした言葉に切り替わる瞬間が、彼女の直球の言い回しをいっそう際立たせています。飾りを外した途端に出てくる言葉の短さと明確さも、バーナデットらしい特徴です。
ラージ|遠慮を挟みながらも核心に踏み込む話し方
ハワードのもとを訪ねたラージは、”Bernadette’s been feeling a little abandoned with all the hours that you’ve been putting in.”(バーナデットは、君がそれだけ長時間働いてることで、ちょっと寂しい思いをしてるみたいだよ。)と、友人の代わりに本音を伝えます。a littleという控えめな語を添えながらも、abandonedという言葉で寂しさを具体的に伝えています。
バーナデットに対しても、”Come on, we don’t need to lie to each other.”(よせよ、お互いに嘘をつく必要なんてないだろう。)と、強がりをそっと解きほぐします。詰問するのではなく、自分もあからさまな嘘を口にしたうえで相手に本音を求める、気さくなやり方であることも見逃せません。相手を追い詰めることなく本音を引き出す、気遣いと率直さを両立させた話し方が、ラージのこの回の特徴です。
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