海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『BONES』シーズン5エピソード15には、恋人のスイーツに避けられていると感じたデイジーが、アンジェラに悩みを打ち明ける場面があります。今回はこの車内の会話を起点に、dump と break up という、恋の終わりを表す二つの英語の違いを読み解きます。
どちらも「別れ」を表しますが、誰が誰に対して言うのかで、使う語と形が変わってくるのが面白いところです。
「Have you ever been dumped?」受け身の dump は「振られる」
ため息ばかりついているデイジーを、アンジェラが車で外へ連れ出します。理由を聞かれたデイジーは、こう切り出します。
Daisy: Because… Have you ever been dumped?
(だって…振られたことってある?)Angela: Of course. Hasn’t everybody?
(もちろん。誰だってあるでしょ?)Daisy: Not me.
(私はないの。)Angela: Never?
(一度も?)BONES Season5 Episode15 (The Bones on the Blue Line)
dumpはもともと「ごみなどをどさっと捨てる」という意味の動詞です。恋愛の話では「恋人を一方的に捨てる」、つまり「振る」の意味になります。くだけた口語で、言われた側の傷つきや、相手の冷たさがにじむ語と言えます。
デイジーが使っているのはbe dumpedという受け身の形で、「振られる」側の立場を表します。Have you ever been dumped?は「振られた経験はある?」と聞く言い方で、アンジェラが「誰だってあるでしょ」と軽く返すのが印象的です。
話はさらに、デイジーが恐れていることへ進みます。
Angela: So, you think that Sweets is going to break up with you?
(つまり、スイーツに別れを切り出されると思ってるわけ?)Daisy: I don’t know because it’s never happened before. He’s pushing me away. He’s been avoiding me.
(分からないわ、だってそんなこと今までなかったんだもの。私を遠ざけてるの。ずっと避けられてるのよ。)Angela: Oh, you don’t have anything to worry about.
(あら、心配することなんて何もないわよ。)BONES Season5 Episode15 (The Bones on the Blue Line)
ここでアンジェラは dump ではなくbreak up withを使っています。同じ「別れ」の話でも、言い方をやわらげて相手の不安に寄り添っている様子が伝わってきます。push someone away(人を遠ざける)も、関係のぎくしゃくを表すときによく使われる言い方です。
「break up with」と「dump A for B」で変わる立場
break upは「別れる」という中立的な言い方で、二人の関係が終わること自体を指します。We broke up.(私たち別れたの)のように、どちらが言い出したかをはっきりさせずに使えるのが特徴です。break up with someoneの形にすると、「(主語が)相手と別れる・別れを告げる」の意味になります。
アンジェラは「別れる前の男性は、かえってやさしくなるものよ」と励ますものの、「いつもそうとは限らない」と言い直してしまいます。そこでデイジーが返したのが次のやりとりです。台詞の中の Lance(ランス)は、スイーツのファーストネームです。
Daisy: So you can’t get me any real help at all, even though you’ve been dumped a lot.
(じゃあ、全然役に立つアドバイスはもらえないってことね。何度も振られてるのに。)Angela: Not a lot.
(何度もじゃないわよ。)Daisy: Why would Lance break up with me? I’m awesome.
(どうしてランスが私と別れたがるの?私、最高なのに。)BONES Season5 Episode15 (The Bones on the Blue Line)
アンジェラの経験はdumped、自分の身に起こりそうなことはbreak up with meと、デイジーが言い分けているのが分かります。
dump にはdump A for B(Bに乗り換えてAを振る)という形もあります。別の場面では、恋人に振られた男性エディが、ブースとの会話で話がこんがらがってしまいます。
Eddie: Oh, wait, wait. So she dumped me for another guy?
(おい、待ってくれ。じゃあ彼女は別の男に乗り換えて俺を振ったってことか?)Booth: No, she dumped you for Colin.
(違う、コリンに乗り換えてお前を振ったんだ。)Eddie: Alright, now I’m confused.
(よし、もう頭がこんがらがってきた。)BONES Season5 Episode15 (The Bones on the Blue Line)
| 表現 | 意味とニュアンス |
|---|---|
| dump someone | 恋人を振る。一方的で、くだけた響き |
| be dumped | 振られる。振られた側の立場 |
| break up | 別れる。どちらが言い出したかは問わない |
| break up with someone | 相手と別れる・別れを告げる |
| dump A for B | Bに乗り換えてAを振る |
まとめ|「振る・振られる」と「別れる」を言い分ける
dump は一方的に振る、be dumped は振られる、break up は二人が別れる、break up with は別れを告げる、という違いが、デイジーとアンジェラの会話から見えてきます。dump A for B まで押さえると、恋愛ドラマの会話がぐっと聞き取りやすくなります。
デイジーのくるくる変わる表情とあわせて、次回も『BONES』と一緒に英語を学んでいきましょう。
同じエピソードでは、友人への「取り分」の渡し方や、手紙の代書業をめぐる英語もコラムで取り上げています。


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