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『BONES』シーズン8エピソード20の終盤には、夕食の予約を控えたブースとブレナンが言葉を交わす場面があります。ブースが sympathetic という語を使うと、すぐに empathetic だという言い直しが入ります。今回はこの2つの語の違いを、場面に沿って読み解きます。
どちらも「人の気持ちに寄り添う」と訳されることがあり、日本語にすると区別がぼやけやすい語です。違いを押さえておくと、相手への気持ちをより正確に言い表せるようになります。
「sympathetic」は、相手を気の毒に思い、気にかける気持ち
資金集めの映画のために撮られた映像を前にした場面で、ブースはこう声をかけます。
Booth: Come on, Bones.
(おいおい、ボーンズ。)— The guy is a clown, all right?
(あの男はただのお調子者なんだから。)— Don’t listen to that guy.
(あんな男の言うことは聞かなくていい。)— Come on, we have 7:30 dinner reservations.
(ほら、7時半に夕食の予約があるんだから。)Brennan: But he’s right, Booth.
(でも、彼の言うとおりよ、ブース。)BONES Season8 Episode20 (The Blood from the Stones)
映像を撮った男性の言うことなど気にしなくていい、という言葉が続き、夕食の予約の時間も告げられます。相手の側に立ってかばうこうした言葉は、英語でいえば sympathetic なふるまいに近いものです。
名詞の sympathy は、つらい思いや苦しい経験をしている人を気の毒に思い、心から気にかける気持ちを指します。形容詞の sympathetic は「同情的な」「親身な」という意味で、She was very sympathetic when I lost my job.(仕事を失ったとき、彼女はとても親身になってくれた)のように使います。
もうひとつ押さえておきたいのが、sympathetic to 〜 の形で「〜に好意的な」「〜に理解を示す」という意味になる使い方です。The manager was sympathetic to our idea.(部長は私たちの案に好意的だった)は、気の毒に思うのではなく、考えに賛同しているという意味になります。
「empathetic」は、相手と同じ気持ちを自分のことのように感じること
しばらくやり取りが続き、今回の捜査がこたえていたのはブースのほうだ、という話になったあと、ブース本人が自分なりの説明をします。
Booth: You know what, Bones, I think when I’m upset, you’re upset because you’re sympathetic.
(なあボーンズ、俺が動揺すると君まで動揺するのは、君が同情してくれるからだと思うんだ。)Brennan: Well, that would be empathetic.
(それなら、共感と言うべきでしょう。)BONES Season8 Episode20 (The Blood from the Stones)
ブースの説明の中身は「自分が動揺すると、相手も動揺する」というもので、相手の気持ちがそのまま自分にも移ってくる状態を指しています。これは empathy の説明そのものと言えます。その意味で、言い直された empathetic のほうが、説明の中身によく合っていると読み取れます。
empathy は、相手の気持ちの中に自分も入り込み、同じ感情を分かち合うことを指します。形容詞の empathetic は「共感力のある」「相手の気持ちが自分のことのように分かる」という意味で、She’s an empathetic listener.(彼女は相手の気持ちになって話を聞ける人だ)のように使います。
語の成り立ちにも違いがあります。sympathy は16世紀から使われてきた古い語で、かつては両方の意味をあわせ持っていたとされます。一方の empathy は、20世紀の初めにドイツ語の言葉の訳語として作られた、比較的新しい語です。
2つの語の使い分けを整理する
sympathy の系統と empathy の系統は、名詞・形容詞・動詞のどの形でも同じ区別が続きます。
| 形 | sympathy の系統 | empathy の系統 |
|---|---|---|
| 名詞 | sympathy(同情・気づかい) | empathy(共感) |
| 形容詞 | sympathetic(同情的な・好意的な) | empathetic(共感力のある) |
| 動詞 | sympathize with(〜に同情する) | empathize with(〜に共感する) |
| 立ち位置 | 相手の外側から気づかう | 相手の内側で同じ気持ちを感じる |
I sympathize with your situation.(あなたの状況には同情します)は外側から相手を思いやる言い方で、I can empathize with you. I’ve had the same experience.(同じ経験をしたので、気持ちがよく分かる)は自分の体験と重ねて相手の気持ちを感じ取る言い方です。
日本語の「シンパシーを感じる」は、「共感する」「親近感を覚える」という意味で使われることが多い言葉です。英語の sympathy は「気の毒に思う気持ち」が中心で、日本語の感覚とはずれがある点に注意が必要です。
まとめ|外から気づかう sympathetic、内側で感じる empathetic
今回は『BONES』シーズン8エピソード20の終盤のやり取りから、sympathetic と empathetic の違いを読み解きました。相手を気の毒に思い気にかけるのが sympathetic、相手と同じ気持ちを自分のことのように感じるのが empathetic で、名詞や動詞の形でも同じ区別が続きます。
2つの語の違いを意識してこの場面を観直すと、短い言い直しのひと言がよく分かるようになります。
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