海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン6第9話では、感謝祭の夕食にモニカの両親が来ることになります。一緒に住んでいるチャンドラーは喜びますが、モニカは二人が付き合っていることをまだ両親に伝えていません。
言いにくいことを聞かれたとき、英語では話をそらす言い方も、問い詰める言い方も段階を踏んで出てきます。二人のやり取りを順に追いながら、それぞれの表現を見ていきます。
「If you could not mention ~」言わないでほしいと遠回しに頼む
両親が来ると聞いたチャンドラーは、自分が越してきてから両親はまだこの部屋を見ていないと喜びます。モニカはそれを受けて、こう続けます。
Monica: Yeah, and you know if you could not mention to them that we live together, that would be great. I was thinking we’d eat around 4:00.
(うん、それでね、一緒に住んでることは両親に言わないでくれると助かるの。食事は4時ごろにしようと思ってるのよ。)
Chandler: Why can’t I tell them that we live together?
(なんで一緒に住んでるって言っちゃだめなんだ?)
Monica: Because they don’t know we’re dating. Do you think we should eat in the kitchen?
(だって、私たちが付き合ってることを知らないんだもの。台所で食べたほうがいいと思う?)
Chandler: Why haven’t you told them?
(なんで言ってないんだよ?)
Friends Season6 Episode9(The One Where Ross Got High)
If you could ~, that would be great. は「〜してもらえると助かる」という、仮定法を使った控えめな頼み方です。ここでは could のあとに not mention を置き、「〜は言わないでいてくれると」と、してほしくないことを頼む形にしています。直接「言わないで」と命じるより、相手に判断をゆだねる響きになります。
モニカは頼みを言い終えるとすぐ、I was thinking we’d eat around 4:00. と食事の時間の話を始めます。理由を聞かれても、二人が付き合っていることを両親が知らないと短く答えたあとは、Do you think we should eat in the kitchen? と、どこで食べるかの相談に切り替えます。予定の質問を差し込むことで、相手の問いから話題を離していく流れです。
チャンドラーの Why can’t I ~? は「なぜ〜してはいけないのか」と許可されない理由を聞く形で、続く Why haven’t you told them? は現在完了の否定で「今まで言わずにいるのはなぜか」を問うています。
「Why haven’t you told them?」問い詰める側と、言いよどむ側
モニカは言おうと思っていたと答えますが、チャンドラーは同じ質問をもう一度投げかけます。
Chandler: Why haven’t you told them? Wouldn’t they be happy?
(なんで言ってないんだよ?喜ばないのか?)
Monica: So dinner in the kitchen around 4:00. I’ll see you then.
(じゃあ、4時ごろに台所で夕食ね。そのときにまた。)
Chandler: Why wouldn’t they be happy?
(なんで喜ばないんだよ?)
Monica: Well, uh, because… mainly, uh… They don’t like you. I’m sorry.
(ええと、その……一番の理由は、えっと……両親はあなたのことが好きじゃないの。ごめんね。)
Friends Season6 Episode9(The One Where Ross Got High)
Wouldn’t they be happy? は否定疑問文で、「喜ぶはずじゃないのか」と、そうであるのが当然だという気持ちを込めて聞く形です。モニカがまた話を切り上げようとすると、チャンドラーは Why wouldn’t they be happy? と疑問詞を前に出して聞き直します。「喜ばないのか」から「なぜ喜ばないのか」へと、質問が一段ずつ具体的になっていきます。
モニカの So dinner in the kitchen around 4:00. I’ll see you then. は、先ほどの相談を結論のように言い切り、I’ll see you then. で話を終わらせようとする言い方です。so で始めると「それじゃあ」と話をまとめる響きが出ます。
最後にモニカは Well, uh, because… mainly, uh… と言いよどみ、そのあとで結論を短く言います。mainly は「主に」で、理由の中心を言おうとしている合図です。言いにくいことほど前置きが長くなり、肝心の一文は短くなるという順番が、英文のつくりからも見て取れます。
「I should have told them」非を認める一言と、話半分の返事
「What? What? Why?」と聞き返すチャンドラーにいくつか心当たりを挙げたあと、モニカはこう謝ります。
Monica: Look, I know that I should have told them. I know I shouldn’t care what they think. I’m sorry.
(ねえ、言うべきだったのはわかってる。両親がどう思うかなんて気にするべきじゃないのもわかってるの。ごめんなさい。)
Friends Season6 Episode9(The One Where Ross Got High)
I should have told them. は「言うべきだった」と、していないことを振り返って認める形です。続く I shouldn’t care what they think. は現在の気持ちについて「気にするべきではない」と言っています。どちらも I know ~ を前に置くことで、自分でも分かっていると先に認める言い方になっています。
場面が変わり、ジョーイの部屋でロスとジョーイがビデオゲームをしているところへ、チャンドラーがやって来ます。チャンドラーは、両親に気に入られているかをロスに確かめます。
Ross: Yes, of course they like you.
(ああ、もちろん気に入ってるさ。)
Chandler: Well, Monica just told me that they don’t.
(でも、モニカがさっき、気に入ってないって言ったんだよ。)
Ross: Yeah, they don’t like you.
(ああ、気に入ってないね。)
Friends Season6 Episode9(The One Where Ross Got High)
ロスはゲームをしながら答えていて、of course と yeah で、相手の言ったことにそのまま合わせています。最初は「もちろん」と肯定し、次は同じ調子で正反対のことを言っています。相手の言葉をなぞって返すだけの返事は、話をちゃんと聞いていないことの表れとして使われることもあります。
まとめ|言いにくいことを聞かれたときの英語
遠回しの頼み方 If you could not mention ~、話のそらし方、問い詰める Why haven’t you told them?、謝罪の I should have told them. を見てきました。この順番を押さえると、気まずい会話の英語が追いやすくなります。
言葉を選ぶ二人のやり取りを思い浮かべながら観ると、同じ場面の英語がまた違って聞こえてきます。
同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事では、この回の別の場面の英語を取り上げています。


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