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『フレンズ』シーズン6第14話では、モニカとチャンドラーの部屋で仲間が映画を見ていて、チャンドラーだけが泣いていないことが話題になります。「泣いてもいい」と声をかけられたチャンドラーは、自分はそういうタイプではないと返します。
励ましの言葉への返し方、自分の性分を説明する言い方、仮定の話をかわす言い方を、場面の流れに沿って順に見ていきます。
「There’s nothing wrong with crying」と言われたときの返し方
映画を見ながら、ほかの3人が泣いているなか、チャンドラーは泣いていません。そこでモニカがチャンドラーに声をかけます。
Monica: Chandler, there’s nothing wrong with crying. You don’t have to be so macho all the time.
(チャンドラー、泣くのは何も悪いことじゃないのよ。いつもそんなに男らしくしてなくていいの。)
Chandler: I’m not macho.
(マッチョなんかじゃないよ。)
Monica: Yeah, you’re right.
(ええ、そうよね。)
Monica: I don’t know what I was thinking.
(私ったら何を考えてたのかしら。)
Chandler: No, I guess I just never really cried, you know? I’m not a crying kind of guy.
(いや、たぶん、これまでちゃんと泣いたことがないんだよ。俺は泣くタイプの男じゃないんだ。)
Friends Season6 Episode14(The One Where Chandler Can’t Cry)
There’s nothing wrong with ~ing. は「〜するのは何も悪くない」という意味で、相手が気にしていることをそのまま認めるひと言です。続く You don’t have to be so ~ all the time. は「四六時中そんなに〜でいなくていい」と、無理をしなくていいと伝えています。macho は「男らしさを誇示する」というニュアンスの語で、カタカナの「マッチョ」が筋肉質な体つきを指すことが多いのとは少しずれがあります。
チャンドラーの I’m not macho. に対して、モニカは Yeah, you’re right. と同意の形で返し、I don’t know what I was thinking. と続けます。「何を考えていたんだろう」は本来、自分の判断を取り消すときに使われます。ただ、強がりを否定した直後に並べると、字面どおりの同意というより、からかい半分の返しとして読める場面です。
最後のチャンドラーの返しには、性分を説明する型が二つ入っています。I guess I just never really ~. は guess と just で言い切りを和らげ、「これまであまり〜してこなかった」と控えめに伝えるときに向いています。I’m not a ~ kind of guy. は「〜するタイプの男じゃない」と、自分の傾向を一言でまとめる言い方で、guy を person に替えれば性別を問わずに使えます。
| 言い方 | 働き |
|---|---|
| There’s nothing wrong with ~ing. | 相手の気がかりを認める |
| You don’t have to be so ~ all the time. | 無理をしなくていいと伝える |
| I guess I just never really ~. | 経験を控えめに説明する |
| I’m not a ~ kind of guy. | 自分のタイプを一言で言う |
「What if ~?」の仮定を「I’d be sad, but I wouldn’t cry」でかわす
モニカに続いて、今度はジョーイがチャンドラーを泣かせようと、仮定の話を持ち出します。
Joey: Come on, man, there’s got to be something that gets you choked up.
(なあ、お前、何か泣きそうになるものくらいあるだろ。)
Joey: Like, uh… uh, what if you saw a three-legged puppy.
(たとえばさ……そうだ、三本足の子犬を見たらどうだ。)
Chandler: I’d be sad, sure… but I wouldn’t cry.
(そりゃ悲しいよ……でも泣きはしない。)
Joey: Okay, what if the puppy said, “Help me, Chandler.
(よし、じゃあその子犬が「助けて、チャンドラー。)
Joey: All the other puppies pick on me.”
(ほかの子犬たちがみんな僕をいじめるんだ」って言ったら?)
Chandler: Cry? I just found a talking puppy. I’m rich.
(泣く?しゃべる子犬を見つけたんだぞ。大金持ちだ。)
Friends Season6 Episode14(The One Where Chandler Can’t Cry)
What if you saw ~? は「もし〜を見たらどうする?」と、ありえない場面を持ち出して相手の反応を試す形です。saw と過去形を使うことで、今の事実ではない仮定の話だと分かります。冒頭の choked up は「感極まって言葉に詰まる」状態を表す語で、意味や使い方は同じ回のフレーズ記事で取り上げています。
チャンドラーの I’d be sad, sure… but I wouldn’t cry. は、would を二つ並べて仮定に答えています。sure を挟んで「悲しいのは認める」と一度譲り、but で「でも泣かない」と線を引く組み立てです。相手の言い分を全部は否定せずに、自分の立場だけを残したいときに応用できます。I’d は I would の短縮形で、会話ではこちらの短い形で耳にすることが多くなります。
ジョーイは子犬に台詞を言わせて仮定を一段重ねますが、チャンドラーは「しゃべる子犬なら大金持ちだ」と冗談で返します。仮定の中の一点を拾って話の向きを変える返し方で、話題そのものをかわしている形になっています。
エピソードの最後の場面では、カフェのセントラルパークに仲間がそろっているところで、チャンドラーのほうが涙を止められなくなります。
Chandler: I can’t help it. I opened a gate.
(どうしようもないんだ。門を開けちゃったんだよ。)
Friends Season6 Episode14(The One Where Chandler Can’t Cry)
I can’t help it. は「自分ではどうしようもない」と、止められないことを説明する決まった言い方です。笑いや涙、くせなど、自分の意思で抑えられないものについて広く使われ、謝る代わりに事情を伝える働きもあります。I opened a gate. は、せき止めていたものが一度開いたらあふれ出してしまう、というたとえとして読めます。「泣かないタイプ」と言っていた冒頭の返しと並べると、言葉の使われ方の変化が分かります。
まとめ|泣かないタイプだと伝える英語
There’s nothing wrong with crying と気づかわれたときの返し、I’m not a crying kind of guy で性分を伝える形、What if ~? の仮定を I’d be sad, sure… but I wouldn’t ~ でかわす形、I can’t help it を見てきました。自分を説明する一言の幅が広がります。
チャンドラーの返しの変化を追いながら観ると、会話の流れがより身近に感じられます。
この回のほかの場面の英語は、同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事でも扱っています。


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