4時ごろのごちそうから食後のひと休みまで、アメリカの感謝祭の一日の文化と英語|『フレンズ』S06E09で学ぶ英会話

『FRIENDS』コラム: 4時ごろのごちそうから食後のひと休みまで、アメリカの感謝祭の一日の文化と英語|『フレンズ』S06E09で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『フレンズ』シーズン6第9話は、モニカとチャンドラーの部屋に両親と仲間が集まる感謝祭の回です。食事の時間の段取りから、デザートの失敗、食後のひと休みまで、感謝祭の一日の様子がひと続きの流れで描かれています。

感謝祭の過ごし方は家庭によってさまざまです。作中のこの家の一日を追いながら、行事にまつわる言い回しと、その背景にある習慣を見ていきます。

目次

「give thanks」感謝祭という名前と、この家の段取り

両親を夕食に呼んだモニカは、チャンドラーに、食事は4時ごろにしようと思っていると話します。作中のこの家では、4時ごろからごちそうを囲むという段取りです。感謝祭の食事を午後の早い時間から始める家庭もあると言われますが、何時に食べるかは地域や家庭によって異なります。

その後、場面はジョーイの部屋に移ります。モニカの両親を迎える前のチャンドラーが、こう言います。

Chandler: This is great. Another Thanksgiving with nothing to give thanks for.
(こりゃいいや。またしても、感謝することが何もない感謝祭だ。)
Friends Season6 Episode9(The One Where Ross Got High)

give thanks は「感謝する」という言い方で、Thanksgiving という行事名も thanks と giving が組み合わさった形です。チャンドラーはこの重なりを使い、「感謝祭なのに感謝することがない」と、行事名そのものを皮肉に使っています。This is great. も文字どおりの「最高だ」ではなく、うまくいかない状況をぼやく反語として読めます。

Another ~ は「また〜」で、同じような感謝祭が以前にもあったことを含ませる形です。with nothing to give thanks for は「感謝する対象が何もない」という意味で、with のあとに名詞と to 不定詞を続け、前の Thanksgiving を後ろから説明しています。give thanks for ~ の for が文末に残る形で、「〜に感謝する」の「〜」にあたるものが何もない、と言っているのが英文のつくりから分かります。

「a funny Thanksgiving story」毎年語られる思い出話

レイチェルはデザートにトライフルを作りますが、雑誌のページがくっついていたため、層の途中に牛肉が入ってしまいます。それに気づいたロスとジョーイは、こう話します。

Ross: No, no, we will. We just won’t tell her she messed up.
(いや、大丈夫、行けるさ。失敗したって言わなきゃいいんだ。)
Joey: Just let her serve the beef custard thing?
(あの牛肉とカスタードのやつを、そのまま出させるのか?)
Ross: It will be like a funny Thanksgiving story.
(笑える感謝祭の思い出話になるよ。)
Friends Season6 Episode9(The One Where Ross Got High)

やり直しになると出かけられなくなると心配するジョーイに、ロスは失敗を伝えずにおこうと持ちかけます。mess up は「しくじる」というくだけた言い方で、レイチェル自身が使う screw up も同じく「失敗する」を表す口語です。a funny Thanksgiving story は「笑える感謝祭の話」で、あとで語られる思い出話になる、という見通しを表しています。

一方のレイチェルは、急かすジョーイにこう返します。

Rachel: Joey, come on. I don’t want to make any mistakes, all right? This is the only dessert and if I screw it up everybody’s going to be, like “Oh, remember that Thanksgiving when Rachel screwed up the trifle?”
(ジョーイ、ちょっと。失敗したくないの、いい?デザートはこれだけなんだから、失敗したらみんなにこう言われるのよ。「ほら、レイチェルがトライフルを失敗したあの感謝祭、覚えてる?」って。)
Friends Season6 Episode9(The One Where Ross Got High)

remember that Thanksgiving when ~? は「〜したあの感謝祭、覚えてる?」と、年ごとの行事を出来事で呼び分ける表現になっています。家族や友人が毎年同じ顔ぶれで集まる行事では、過去の失敗が笑い話として繰り返し話題になることがあると言われます。ロスとレイチェルが同じ「思い出話」を正反対の気持ちで口にしているのが、この二つの場面を並べたときの面白さです。

「not Truth Day」行事名を使った冗談と、食後のひと休み

レイチェルの古い部屋で、ジョーイはデザートの失敗をレイチェルに言うべきだと言い出します。ロスの返事はこうです。

Ross: It’s Thanksgiving, not Truth Day.
(今日は感謝祭だぞ。本当のことを言う日じゃない。)
Friends Season6 Episode9(The One Where Ross Got High)

A, not B は「BではなくA」と、二つを並べて片方を打ち消す形です。Truth Day は実在の行事ではなく、ロスがその場で作った呼び名です。祝日の名前と並べることで、「今日は本当のことを言う日ではない」という言い訳を冗談めかして伝えています。

デザートのあと、この家では食後のひと休みの時間になります。レイチェルの古い部屋から戻ったフィービーは、感謝祭のひと眠りをしかけていたと話します。ソファに座ったジャックは、こう言います。

Mr. Geller: Boy, I’m glad I wore the big belt today.
(いやあ、今日は大きいベルトをしてきてよかったよ。)
Friends Season6 Episode9(The One Where Ross Got High)

文頭の Boy, は「いやあ」「まったく」と、感心や実感を込めて話し始めるときの間投詞です。I’m glad I ~ は「〜してよかった」で、たくさん食べることを見越して大きいベルトにした、という冗談として読めます。フィービーの言う Thanksgiving nap は「感謝祭の昼寝」で、ごちそうのあとに横になってくつろぐ過ごし方を指して使われる言い方です。食後をどう過ごすかも、地域や家庭によって異なります。

まとめ|感謝祭の一日をたどる英語

give thanks と行事名の重なり、a funny Thanksgiving story や remember that Thanksgiving when ~? の思い出話、not Truth Day の冗談、食後の Thanksgiving nap まで、この家の感謝祭の一日を追ってきました。

段取りも過ごし方も家庭ごとに違う行事だからこそ、作中のこの家ならではの一日が見えてきます。

同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、この回の場面がより立体的に見えてきます。

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