海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ビッグバン★セオリー』シーズン12 第11話から、screw up と mess up の違いを取り上げます。デニースから一緒に住もうと持ちかけられて逃げ腰になったスチュアートが、この2つの表現を場面によって使い分けています。
どちらも「台無しにする」と訳されることの多い表現ですが、響きのくだけ方には差があります。誰に向けて話しているかに注目しながら、場面の流れに沿って見ていきます。
友人に打ち明ける「screw everything up」
コミックブックストアの場面で、デニースは「あなたとは別れて、今はあの人と付き合っている」と冗談を言います。スチュアートは冗談だと分かっていても、flight-or-flight response(逃走・逃走反応)が反応してしまうと返します。デニースに「fight-or-flight(闘争・逃走反応)じゃないの?」と聞かれ、「僕の場合は違う」と答えるやり取りが、この話の伏線になっています。
その後、同じ店でペニーが「デニースは一緒に住む人を探している」と水を向けると、スチュアートは Flight. と言ってその場を離れます。ペイントボールの試合中には、デニースが撃ちながら Why don’t you want to move in with me?(どうして私と一緒に住みたくないの?)と本音をぶつけます。
撃たれたスチュアートに、レナードが事情を尋ねる場面がこちらです。
Leonard: What is up with you two?
(君たち二人、どうしたんだよ?)Stuart: Well, it’s kind of hard to explain. Uh, you know when things are going great, but you worry that any minute you might screw everything up?
(うーん、説明しにくいんだけど。ほら、すごくうまくいってるのに、今にも全部台無しにしちゃうんじゃないかって心配になること、あるだろ?)Penny: No.
(ない。)Leonard: Yes. If you really like her, you can’t let fear get in the way. You have to move forward.
(あるよ。本当に彼女が好きなら、怖さに邪魔させちゃだめだ。前に進まないと。)TBBT Season12 Episode11
screw up は「しくじる・台無しにする」という意味の口語です。一般にくだけた響きが強く、相手や場面によっては乱暴に聞こえることもあるとされます。ここでは everything と組み合わせ、「何もかもぶち壊しにする」という大げさな不安を友人に打ち明けています。ペニーの No. とレナードの Yes. が正反対の答えになっているのも面白いところです。
本人に伝える「mess it up」
ペイントボール場の後の場面で、スチュアートはデニースと2人で話す場面を迎えます。たくさんのあざを見せた後、謝罪と本音を伝えるのがこのやり取りです。
Stuart: Ah, look, I’m sorry that I freaked out. It’s just that things are going so good with us, and I’m afraid that if we go too fast, I am gonna mess it up.
(ねえ、取り乱してごめん。ただ、僕たちすごくうまくいってるから、急ぎすぎたら僕がだめにしちゃうんじゃないかって怖いんだ。)Denise: I get that. I don’t want to mess things up, either.
(わかるよ。私だって台無しにしたくないもん。)TBBT Season12 Episode11
mess up は、もともと「散らかす」という意味を持つ mess から来た句動詞で、「めちゃくちゃにする・こじらせる」を表します。screw up と同じく口語ですが、響きは比較的やわらかく、本人に向けた打ち明け話にもなじみます。デニースも同じ mess を使って mess things up と返し、2人の気持ちがそろっていることが伝わってきます。
| 表現 | 響き | 劇中での使われ方 |
|---|---|---|
| screw up | くだけた響きが強い | 友人に「全部ぶち壊しにしそう」と打ち明ける |
| mess up | 比較的やわらかい | 本人に「だめにしたくない」と伝える |
| go too fast | 関係を急ぎすぎる | 不安の理由を説明する |
スチュアートは続けて、本気だと示すために to show you that I’m serious と言いながら鍵を差し出します。不安の告白から行動へ進む流れが、この場面の見どころです。
まとめ|screw up と mess up は響きで選ぶ
今回は、くだけた響きの強い screw up と、比較的やわらかい mess up、関係のペースを表す go too fast を見てきました。同じ「台無しにする」でも、相手との距離に合わせて言葉を選べるようになります。
不器用なスチュアートの一歩も、『ビッグバン★セオリー』では言葉の選び方から細やかに描かれています。
同じ回のほかのコラムやフレーズ記事でも、この話の英語表現を取り上げています。


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