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『BONES』シーズン11エピソード11では、研究所の会話に「バーサ」という名前が何度も出てきます。人の名前のようですが、実は週末に雨を降らせた嵐の名前です。今回はこの場面を起点に、アメリカで嵐に人の名前をつける文化と、その名前をめぐる英語を紹介します。
日本では台風を番号で呼ぶことが多いため、英語のニュースで突然人の名前が出てくると戸惑うことがあります。仕組みを知っておくと、会話やニュースの流れを追いやすくなります。
研究所で話題にのぼる「バーサ」
研究所で、何を見落としているのかという問いが出たところで、ホッジンスがひと言で答えます。
Hodgins: Bertha.
(バーサだよ。)BONES Season11 Episode11 (The Death in the Defense)
続いて、ウェンデルに向けて次のような声がかかり、雨の話が続きます。
— Wendell, you forgot about tropical storm Bertha.
(ウェンデル、熱帯暴風雨のバーサを忘れてるよ。)— It rained for hours this weekend.
(この週末は何時間も雨だった。)— Yeah, 18 hours.
(ああ、18時間ね。)BONES Season11 Episode11 (The Death in the Defense)
tropical storm は日本語で「熱帯暴風雨」と訳されることが多く、熱帯で発生した嵐のうち、ある程度まで風が強まった段階を指す言葉です。研究所の面々にとって、バーサは説明なしで通じる「あの嵐」として扱われていることが分かります。アメリカでは、天気予報やニュースで嵐の名前が日常的にくり返されるため、名前だけで話が通じる場面が多いと言えます。
嵐の名前はどう決まる?
アメリカの国立ハリケーンセンターの説明によると、大西洋で発生する熱帯の嵐には、あらかじめ用意された名前のリストから順に名前がつけられるとされています。名前はアルファベット順に並んでいて、その年の最初の嵐は A で始まる名前、次は B で始まる名前、という具合に進みます。劇中のバーサ(Bertha)も B で始まる名前です。
| 項目 | 一般的な説明 |
|---|---|
| 名前の順番 | アルファベット順に、発生した順につけられる |
| リストの数 | 6つのリストを順番に使い、6年ごとに同じリストに戻る |
| 男女の名前 | 1979年から男性名と女性名が交互に並ぶ |
| 外される名前 | 特に記憶に残る大きな嵐の名前は、リストから外されることがある |
名前のリストは1953年に作られ、はじめは女性の名前だけが使われていたとされています。1979年からは男性の名前と女性の名前が交互に並ぶようになりました。特に大きな嵐の名前は、同じ名前をくり返すと混乱を招くなどの理由で、リストから外されて別の名前に入れ替えられることがあるとされています。
また、風がさらに強まると、tropical storm から hurricane(ハリケーン)へと呼び方が変わります。名前は熱帯暴風雨の段階でつけられ、ハリケーンになってもそのまま引き継がれるのが一般的とされています。
日本の台風も、実は番号とは別に名前を持っています。2000年からは、アジアの国や地域が出し合った140の名前が順番に使われていると、気象庁は説明しています。ただ、日本では番号で呼ぶ習慣が根強く、名前で呼ぶことは少ないと言えます。
名前を人のように扱う英語
嵐に人の名前がつくと、英語では嵐をまるで人のように話すことがあります。劇中にも、そうした言い方が出てきます。
— Maybe Bertha struck again.
(またバーサのしわざかも。)BONES Season11 Episode11 (The Death in the Defense)
strike は「襲う」「打つ」という意味で、嵐を主語にして使うと「嵐が来た・影響を与えた」という意味になります。again を付けることで、「またあの嵐がやったのかも」という、いたずら者を名指しするような響きが出ています。
ホッジンスの説明にも、名前を所有格で使う形があります。
Hodgins: So Bertha’s rainfall raised the waterline of interest by approximately four inches.
(つまり、バーサの雨で、調べたい場所の水位がおよそ4インチ上がったんだ。)BONES Season11 Episode11 (The Death in the Defense)
Bertha’s rainfall は「バーサの降らせた雨」という意味です。ニュースでも、the storm’s path(嵐の進路)のように、嵐の名前や the storm を主語・所有格にした言い方がよく使われます。名前がつくことで、嵐が話題の「登場人物」のように扱われるのが英語の面白いところです。
まとめ|嵐の名前は、話題の「登場人物」
アメリカでは、大西洋の熱帯の嵐にアルファベット順のリストから人の名前がつけられ、tropical storm や hurricane という呼び方とともに日常の会話に登場します。Bertha struck again. や Bertha’s rainfall のように、名前を人のように扱う言い方を知っておくと、英語の天気の話題がぐっと身近になります。
『BONES』の研究所の会話から、アメリカの天気の文化がのぞいて見えます。
この回の英語は、訪ねた先で約束の有無を聞かれたときのコラムや、座るよう促す言い方を比べるコラムでも扱っています。


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