海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン4第17話では、ロンドンへ帰るエミリーとの今後に迷うロスに、モニカが次々と行動を勧めます。「〜しなきゃ」を表す英語が、何度も出てくる回です。
have to と have got to は、どちらも「〜しなければならない」と訳される表現です。モニカの勧め方と、勧められたロスの返し方を追いながら、二つの言い方と、背中を押す会話の流れを見ていきます。
「You’ve got to see her again」と「You have to」の使い分け
モニカとレイチェルの部屋にやって来たロスは、エミリーが空港へ向かったところだと話します。空港へは彼女のおじが送ることになっていて、別れのあいさつは朝のうちに済ませたそうです。また会えるのかとモニカに聞かれ、ロスは分からないと答えます。そこでモニカが言うのがこの一言です。
Monica: Hey, you’ve got to see her again.
(ねえ、また会わなきゃだめよ。)
Friends Season4 Episode17(The One with the Free Porn)
you’ve got to は you have got to の縮まった形で、意味は you have to とほぼ同じ「〜しなければならない」です。辞書や文法書では、have got to のほうがくだけた会話で使われやすく、話し手の気持ちがこもった強い言い方になりやすいと説明されることが多い表現です。くだけた会話では gotta と縮めて書かれることもあります。
モニカはこのあと、ゲートへ向かう直前のエミリーをつかまえて名前を呼び、「愛してる」と伝えるようロスに勧めます。後半の場面では、同じ「〜しなきゃ」を You have to ~ の形でも重ねています。エミリーに別の男性がいると分かったあとの Now you have to prove your love.(これで愛を証明しなきゃ)と、You have to go fight for her.(彼女のために戦いに行かなきゃ)です。
二つの形は入れ替えても意味はほとんど変わりません。どちらも主語に you を置くと「あなたは〜しなきゃ」と、相手に強く勧める言い方になります。勧めがさらに強まると、モニカの台詞は Go fight for her. や Go to London. のような命令文に変わっていきます。
「It is not over」終わりかどうかを言い合う
空港でロスが気持ちを伝えると、エミリーの返事は Thank you の一言でした。チャンドラーとジョーイの部屋でその報告を聞いたあとのやりとりです。
Chandler: All right, look. Forget it. Okay? Forget it. You told her you love her. It’s over.
(よし、いいか。忘れろ。な? 忘れろって。愛してるって言っちまったんだ。もう終わりだよ。)
Monica: It is not over. You’re over.
(終わってなんかない。終わってるのはあなたのほうよ。)
Friends Season4 Episode17(The One with the Free Porn)
It’s over. は「もう終わりだ」と関係や物事の終わりを告げる短い言い方です。モニカはそれを受けて、縮めずに It is not over. と言い切っています。続く You’re over. は、同じ over を相手に向けて言い返す冗談です。
モニカはさらに、エミリーは電話をかけてきて愛していると伝えるはずで、その場で同じ言葉を返せなかったのは気持ちが強すぎて怖くなったからだと、自分の予想を語ります。家に帰って電話を待つよう言われたロスは、こう答えます。
Ross: Okay, okay but if she doesn’t call, it is definitely over. No, wait, wait– unless, eventually I call her, you know, to-to see what’s going on and-and she says, she’ll call me back but then she doesn’t. Then… it’s over.
(わかった、わかったよ。でも電話が来なかったら、そのときは間違いなく終わりだ。いや、待った、待った。ただし、そのうち俺から電話して、ほら、様子を聞いて、向こうがかけ直すと言ったのにかけてこなかったら、の話だ。そうなったら……終わりだ。)
Joey: Way to be strong, man.
(さすが、強いな。)
Friends Season4 Episode17(The One with the Free Porn)
definitely で「間違いなく終わり」と言い切ったすぐあとに、unless(〜でない限り)で条件を足し、終わりの線を先へずらしています。ジョーイの Way to be strong は直訳すれば「強いね」ですが、条件を足して決断を先延ばしにしたロスに向けた一言なので、からかい半分として読めます。
「I’m done listening to you」押される側の返し方
ロスはその後、電話でエミリーから別の男性がいると打ち明けられます。それを聞いたモニカと、ロスのやりとりです。
Monica: Of course, there’s another guy! This is even more perfect. Now you have to prove your love.
(もちろん、ほかに男がいるのよ! ますます完璧じゃない。これで愛を証明しなきゃいけなくなったわね。)
Ross: I’m not proving anything. Okay? I’m done listening to you.
(何も証明なんかしない。いいか? お前の話を聞くのはもうやめだ。)
Friends Season4 Episode17(The One with the Free Porn)
I’m done ~ing は「〜するのはもうおしまいだ」と、続けてきたことをやめると伝える形です。I’m done listening to you. で、相手の助言にはもう従わないという意思をはっきり示しています。I’m not proving anything. も、相手の言葉 prove をそのまま使って断る返し方です。
それでもモニカは、彼女のために戦いに行くよう言い続けます。やりとりの最後には、ロスの答えが変わります。
Monica: Come on, surprise her. Show up at her doorstep. Don’t let her go without a fight.
(ほら、驚かせてあげなよ。玄関先に現れるの。戦いもしないで彼女を手放しちゃだめ。)
Ross: All right, I’m going to do it.
(わかった、やるよ。)
Ross: I’m going to… I’m going to go to London and I am going to fight for her.
(俺は……ロンドンへ行って、彼女のために戦う。)
Monica: Okay. Good luck.
(よし。がんばって。)
Friends Season4 Episode17(The One with the Free Porn)
without a fight は「戦いもせずに」で、Don’t let her go without a fight. は「何もせずにあきらめるな」と伝える言い方です。ロスは I’m going to do it. と決意を口にし、行き先と目的を言い直しています。送り出す側の Good luck. は短い一言で会話を締めくくっています。
まとめ|背中を押す英語と押される側の英語
You’ve got to ~ と You have to ~ はどちらも強く勧める言い方で、have got to はくだけた会話で使われやすい形です。It is not over. や I’m done listening to you. も知っておくと、勧める側と断る側の会話が聞き取りやすくなります。
迷うロスと押し続けるモニカのやりとりから、「〜しなきゃ」の英語の幅が見えてきます。
この回のほかのコラムやフレーズ記事では、同じエピソードの別の場面の英語も取り上げています。


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