海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン5第11話で、チャンドラーは「仲間をからかわずに過ごせるか」をめぐって、ロスと50ドルの賭けをします。その後の場面では、変わった名前、独特なギターの教え方、革のパンツと、からかいの種が次々に現れ、チャンドラーはそのたびに言葉を選ぶことになります。
言いたいことをこらえる人と、それをつつく周りの人。賭けの持ちかけ方から降参の一言まで、場面ごとの英語をたどっていきます。
「I’ll take that bet」賭けを持ちかけて、受けて立つ
年越しパーティーのあと、モニカとレイチェルの部屋で仲間が新年の抱負を言い合う場面です。フィービーの抱負がからかわれたのをきっかけに、モニカはチャンドラーにこう言い、ロスが賭けを持ちかけます。
Monica: She has a better chance of sprouting wings and flying up your nose than you do of not making fun of us.
(あなたが私たちをからかわずにいられる見込みより、フィービーに羽が生えてあなたの鼻に飛び込む見込みのほうがまだあるわね。)
Ross: In fact, I’ll bet you 50 bucks you can’t go the whole year without making fun of us.
(それどころか、1年間俺たちをからかわずにいられない方に50ドル賭けるよ。)
Ross: You know what? Better yet— a week.
(いや、待てよ。もっといい。1週間だ。)
Chandler: I’ll take that bet, my friend.
(その賭け、乗った。)
Friends Season5 Episode11(The One with All the Resolutions)
モニカの She has a better chance of A than you do of B は、「B の見込みは A よりも低い」と、ありえない A を持ち出して B の難しさを強調する比べ方です。make fun of ~ は「〜をからかう」という意味です。
ロスの I’ll bet you 50 bucks (that) ~ は、「〜だというほうに50ドル賭ける」と賭けを持ちかける形で、bucks は dollars のくだけた言い方です。Better yet は「いや、もっといい案がある」と条件を言い直すときの前置きで、ロスは期間を1年から1週間に縮めます。
チャンドラーの I’ll take that bet. は「その賭けに乗る」と受けて立つ返事で、my friend は相手への呼びかけです。このあとチャンドラーは、ロスが自分に50ドルを払うことをロスの抱負の「新しいこと」にすればいいと冗談で返し、賭けはその場から始まります。友達同士の軽い賭けの英語として、持ちかける側と受ける側の言い方が一度にそろう場面です。
「What an interesting approach」言いたいのをこらえて言い換える
場面がカフェのセントラルパークに移ります。ロスは店で話していた女性を誘い、名前と電話番号の書かれた紙をチャンドラーとジョーイに見せます。変わった響きの名字に、名前に何かおかしいところでもあるのかと聞かれ、チャンドラーはこう答えます。
Chandler: No. No. I just think that maybe I’ve… I’ve heard it somewhere before.
(いや、いや。ただ、どこかで……どこかで聞いた気がしてさ。)
Joey: Oh, really? Where?
(へえ、そうか?どこで?)
Joey: Somewhere funny, I’ll bet.
(きっと、どこか笑える所だろ。)
Friends Season5 Episode11(The One with All the Resolutions)
チャンドラーの I’ve heard it somewhere before. は、からかいの言葉を飲み込んで当たり障りなく流す返しです。ジョーイの I’ll bet. は文末に置いて「きっとそうだろう」と決めつける言い方で、bet には「賭ける」のほかに、こうして確信を表す使い方もあります。
そこへフィービーが入ってきます。ロスはフィービーにデートの相手の名前を告げ、名字はチャンドラーの耳元で言います。名字を繰り返したフィービーがチャンドラーにかけるのが This must be killing you. で、「これはつらいに違いない」という意味です。kill は誇張で「ひどくこたえる」を表します。
同じ場面で、フィービーはジョーイに、自分で名前を付けたギターのコードを教え始めます。それを見たチャンドラーの感想です。
Chandler: What an interesting approach to guitar instruction.
(ずいぶん面白いギターの教え方だね。)
Chandler: You know, some might find it amusing. I, myself, find it regular.
(まあ、笑える人もいるかもしれない。俺自身は、ふつうだと思うけどね。)
Friends Season5 Episode11(The One with All the Resolutions)
What an interesting approach to ~ は「〜への何とも面白いやり方だ」と感想を述べる感嘆文です。find + 目的語 + 形容詞 は「〜を…と思う」で、チャンドラーは some might find it amusing(笑える人もいるだろう)と前置きしたうえで、自分は regular(ふつう)と思うと言い換えています。
「I can’t take it anymore」人に言わせようとして、最後は降参する
場面がモニカとレイチェルの部屋に移り、ロスがベンを連れてやってきます。ロスのはいている革のパンツに、チャンドラーが声を上げます。
Chandler: Ross is wearing leather pants!
(ロスが革のパンツはいてるぞ!)
Chandler: Does nobody else see that Ross is wearing leather pants?
(ロスが革のパンツはいてるのに、誰も気づかないのか?)
Chandler: Someone! Comment on the pants!
(誰か!パンツについて何か言ってくれよ!)
Rachel: They’re very nice.
(すごくすてきよ。)
Friends Season5 Episode11(The One with All the Resolutions)
Does nobody else see ~? は「ほかに誰も〜に気づかないのか」という問いです。comment on ~ は「〜について意見を言う」で、自分ではからかえないチャンドラーが、ほかの誰かに言わせようとしています。返ってきたのはレイチェルのほめ言葉でした。チャンドラーが出て行ったあと、ロスが改めて意見を聞くと、レイチェルは Awful. と正反対の答えを返します。
最後の場面、カフェのセントラルパークで、チャンドラーが入ってきてロスにお金を渡します。
Chandler: I can’t take it anymore, so you win, okay? Here.
(もう我慢できない。だから君の勝ちだ、いいな?ほら。)
Chandler: Pheebs, flying a jet? Better make it a spaceship so you can get back to your home planet.
(フィービー、ジェット機の操縦?宇宙船にしときなよ、自分の星に帰れるようにさ。)
Friends Season5 Episode11(The One with All the Resolutions)
I can’t take it anymore. は「もう耐えられない」と限界を伝える言い方で、you win は相手の勝ちを認める降参の一言です。Better make it ~ は You’d better make it ~ の省略で、「〜にしたほうがいい」と勧める形です。降参したとたんに、チャンドラーはフィービーの抱負へのからかいを口にします。
まとめ|こらえる側とつつく側の英語
I’ll bet you ~、I’ll take that bet、This must be killing you、I can’t take it anymore と、賭けの始まりから降参までの英語を見てきました。からかいを飲み込む言い換えと、それをつつく一言が対をなします。
チャンドラーの言葉選びに注目すると、この回の会話のおかしさがよく分かります。
この回のほかの場面の英語は、同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事で扱います。


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