「have a hard time doing」の意味と使い方|『モダンファミリー』S05E05で学ぶ英会話

「have a hard time doing」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

頭ではもう大丈夫だとわかっているのに、気持ちがなかなか追いつかない。そんな場面が、誰にでもあるはずです。

そんな気持ちを言い表せる「have a hard time doing」を、『モダンファミリー』シーズン5第5話の後半、クレアが夫のフィルに、手放すのに苦労していると打ち明けるシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「have a hard time doing」の意味とニュアンス

have a hard time doing
意味:~するのに苦労する、なかなか~できない

have a hard time doingは、「~することが難しい」「~するのに苦労している」という状態を表す表現です。doingの部分には、動詞の-ing形を置きます。I’m having a hard time falling asleep these days.(最近、なかなか寝つけないんだ)のように、現在進行形にすると、「今まさに苦労している」というニュアンスが出ます。

hard timeは、「難しい時間」と直訳すると不自然になります。この表現の中では、「苦労する経験」「うまくいかない状態」という一つのかたまりとして働いています。新しい環境に慣れないとき、何かを決められないとき、気持ちの整理がつかないとき、聞き取りにくいときなど、うまくいかずに苦労している場面に幅広く使えます。

過去の話であればhad a hard time、これから先の話ならwill have a hard timeと、時制を変えて使えます。単に「できない」と言い切るよりも、「やろうとしているのに、うまくいかない」というもがいている状態が伝わる点が特徴です。苦労する対象が動作ではなく物事のときは、have a hard time with ~の形で、I had a hard time with the new schedule.のように名詞を続けることもできます。

【ここがポイント!】

  • 「have a hard time doing」の核は、やろうとしているのに、うまくいかずに苦労している状態
  • 後ろには動詞の-ing形を置き、「なかなか~できない」という気持ちを伝えられる
  • 現在進行形のhaving a hard timeにすると、「今まさに苦労している」という実感が増す

『モダンファミリー』S05E05のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

クレアが、フィルに気持ちを打ち明けます。ルークのことについて、「たぶん大丈夫だった」と言ったうえで、苦労しているのは自分のほうだと認め、世界で信頼する人を一人挙げるなら、それはフィルだと続けます。フィルの「それで?」をきっかけに、話が思わぬ方向へ進んでいく会話の流れに注目です。

Claire: Luke probably would have been fine, and I am having a hard time letting go. And if there’s one person in the world I trust, it is you.
(ルークはたぶん大丈夫だったのよ。ただ私が、手放すのに苦労してるだけ。それに、この世で私が信頼する人を一人挙げるとしたら、それはあなたよ。)

Phil: And?
(それで?)

Claire: And you look hot in that suit. When we get home later
(それで、そのスーツ、すごくかっこいいわ。家に帰ったら、あとで)

Phil: Okay, you’re actually gonna need to stop. This suit can’t get any tighter.
(オーケー、ここは本当にやめてもらわないと。このスーツ、これ以上きつくなりようがないんだから。)

Modern Family Season5 Episode5 (The Late Show)

シーン解説と心理考察

クレアは、ルークのことを「たぶん大丈夫だった」と受け止めたうえで、うまく割り切れないのは自分の気持ちのほうだと言葉にしています。having a hard time letting goは、頭では納得していても、心が追いつかないという状態をそのまま表しています。「苦労している」という自己申告が、事実として率直に語られている点が印象に残ります。letting goは、握っていたものを手から離すという動作を表す言葉で、ここではルークのことを任せて手を離す、子離れの気持ちを指しています。

続く、信頼する人を一人挙げるならフィルだという言葉には、夫への信頼が表れています。苦労を打ち明ける相手として、フィルを選んでいることが伝わってきます。

そのあとの「それで?」と、スーツを褒める一言、それを止めるフィルの返しは、一気に軽いやり取りへと空気を切り替えます。真剣な打ち明け話から、夫婦の軽い冗談へと移っていく流れが、二人の距離の近さを物語る場面です。フィルが「このスーツ、これ以上きつくなりようがない」と返すことで、話題は苦労の打ち明けから、目の前のスーツへと軽やかに移っていきます。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

重たい荷物を抱えて、坂道をのぼっている人の姿を思い浮かべてみましょう。一歩ずつは進めているのに、足取りは重く、思うようには進めません。「難しい(hard)時間(time)を過ごしている」というのは、この坂道の途中にいる感覚です。これは語の由来の説明ではなく、覚え方の工夫です。

クレアの「手放すのに苦労している」という言葉も、抱えているものをなかなか下ろせない、重たい荷物の絵と重なります。荷物を抱えたまま進もうとする姿を思い浮かべて、後ろに動詞の-ing形を続けると、「何をするのに苦労しているのか」がひと目でわかる形になります。「苦労」の中身を、動作の名前で言い添えるイメージです。

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例文で覚える「have a hard time doing」

うまくいかずに苦労している様子を伝えるhave a hard time doingを、睡眠、仕事、人との別れという3つの場面の例文で確かめてみましょう。

I’m having a hard time falling asleep these days.
(最近、なかなか寝つけないんだ)
睡眠の悩みを友人に話す、日常の場面です。these daysを添えると、ここしばらく続いている状態だという含みが出ます。

A: Are you enjoying your new job?
B: Honestly, I’m having a hard time keeping up.
(A:新しい仕事は楽しい?)
(B:正直、ついていくのに苦労してるんだ。)
新しい職場での悩みを話す、ビジネスの会話です。Honestlyを添えると、率直に打ち明ける響きになります。

I had a hard time saying goodbye to my old classmates.
(昔のクラスメイトにお別れを言うのに苦労した)
別れがたい気持ちを語る、感情表現の場面です。過去形のhadにすると、そのときの気持ちを振り返る言い方になります。

あわせて覚えたい関連表現

have trouble doing
(~するのに苦労する)
have trouble doingは、have a hard time doingとほぼ同じ意味で使えます。どちらも後ろに-ing形を置くため、入れ替えても文の形は変わりません。

find it hard to do
(~するのは難しいと感じる)
find it hard to doは、「そう感じる」という主観的な判断に焦点があります。後ろはto不定詞をとる点が、have a hard time doingとの違いです。

struggle to do
(~するのに苦闘する)
struggle to doは、もがくように努力している強い苦闘の響きがあります。have a hard time doingは、そこまで強くない日常的な苦労にも使えます。

Note|have a hard timeの後ろは-ing形、find it hardの後ろはto不定詞

have a hard time doingとfind it hard to doは、意味が近いのに、後ろに続く形が違います。

have a hard timeの後ろには、動詞の-ing形を置きます。I have a hard time understanding him.なら、「彼の言うことを理解するのに苦労している」という意味です。後ろは-ing形が基本で、to不定詞ではなくunderstandingの形を選びます。一方、find it hard to doの後ろには、to不定詞を置きます。I find it hard to understand him.なら、「彼の言うことを理解するのは難しいと感じる」という意味で、形式目的語のitを使い、あとからto以下で中身を説明しています。どちらも「難しさ」を表しながら、前者は「苦労している状態」、後者は「難しいと感じる判断」に重心があります。形を混同しないよう、「hard timeにはdoing」「hard toにはto do」とセットで覚えておくと便利です。

クレアのhaving a hard time letting goも、後ろにletting goという-ing形が続いていました。動詞のletを-ing形にして、ひとかたまりのletting goとして置く形です。

後ろの形をセットで覚えておくと、文を組み立てるときに迷いが減ります。

まとめ|うまく進めない気持ちを、ひと言で

have a hard time doingは、やろうとしているのに、うまくいかずに苦労している状態を表す表現です。後ろには動詞の-ing形を置き、現在進行形にすると、今まさに苦労している実感が加わります。

新しい環境に慣れないとき、決断に迷うとき、気持ちの整理がつかないときなど、日常のさまざまな場面で使えます。睡眠、仕事、人との別れなど、悩みの種類を問わず、苦労の中身を動詞の-ing形で具体的に添えられるのも便利な点です。find it hard to doとは後ろに続く形が違うので、-ing形とto不定詞の組み合わせも、あわせて確認できます。何に苦労しているのかを動詞の-ing形で具体的に添えると、気持ちの中身まで伝わります。

クレアの一言は、頭でわかっていても、心が追いつかないという状態を、そのまま言葉にしたものでした。うまくいかない気持ちを正直に伝えたくなったとき、思い出してみてください。

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