「hold up a mirror」の意味と使い方|『モダンファミリー』S08E16で学ぶ英会話

「hold up a mirror」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

指摘が的を射ているほど、言われた側は反発したくなる。そんな人の心の動きを、英語は鏡にたとえて言い表します。

その鏡の比喩にあたる「hold up a mirror」を、『モダンファミリー』シーズン8第16話の後半、グロリアがドナに「ケンカはもうやめなきゃ」と呼びかけ、同じ比喩を言い換えて語る場面から、一緒に見ていきましょう。

目次

「hold up a mirror」の意味とニュアンス

hold up a mirror
意味:(人や社会の)ありのままの姿を映し出して突きつける

hold up a mirror は、鏡をかざして姿を映すように、人や社会の実態を隠さず見せることを表す比喩表現です。hold up は「かざす、掲げる」、mirror は「鏡」で、文字どおりの意味は「鏡を掲げる」になります。

多くは hold up a mirror to + 対象 の形で、「〜の姿を映し出す」という意味で使います。hold a mirror up to のように、up の位置を後ろへ動かした語順も使えます。対象には、人、社会、作品が扱う題材などが入ります。映し出されるのは、見せる側が作った姿ではなく、対象そのものの姿です。

見せられる側にとって、映った姿は、目を背けたい部分であることもあります。文脈によっては、相手の欠点や、見たくない実態を直視させる、という含みが付きます。一方で、鏡は映すだけの道具です。見せる側は、良し悪しを言わずに、映った姿を相手の前に差し出します。

日本語にするときは、「映し出す」「ありのままを突きつける」「実態を見せつける」から選びます。「鏡を掲げる」と直訳すると、比喩の意味が伝わりません。

【ここがポイント!】

  • 「hold up a mirror」の核は、鏡をかざすように、対象のありのままの姿を見せること
  • hold up a mirror to + 対象 の形が基本で、up の位置を動かした語順もある
  • 見せる側の動作を表す言い方で、見せられる側の気持ちを言う表現とは向きが違う

『モダンファミリー』S08E16のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

この話では、バスケットボールの試合会場で、本人役で出演したチャールズ・バークリーが hold up a mirror を使った言葉を口にします。人は、自分の最悪の部分を直視させる人を恨みがちだ、という趣旨です。グロリアはその趣旨を受けて、マニーの学校の保護者であるドナに向けて、同じ比喩を言い換えて語ります。ここで見るのは、グロリアとドナのやり取りです。太字にしたのは、鏡を主語にした言い換えの部分です。

Gloria: Donna, we have to stop this fighting. A wise man once told me that we resent mirrors that show us what we don’t want to see.
(ドナ、こんなケンカはもうやめなきゃ。ある賢い人に言われたの。人は、見たくないものを映す鏡に腹を立てるものだって。)

Dr. Donna: That’s ridiculous. I love mirrors.
(ばかばかしい。私、鏡は大好きよ。)

Gloria: But the point is that I was mad because you made me see who I really am, and I was shocked to see what I have become.
(でも大事なのは、あなたのせいで本当の自分を見せつけられて腹が立ったってこと。そして、今の自分に愕然としたの。)

Dr. Donna: Stop talking. You’re sounding human, and I don’t like that.
(黙って。あなた、人間らしく聞こえてきてる。それが気に入らないの。)

Modern Family Season8 Episode16 (Basketball)

シーン解説と心理考察

グロリアの Donna, we have to stop this fighting は、「ドナ、こんなケンカはもうやめなきゃ」という意味です。this fighting は、グロリアとドナの間の言い争いを指しています。グロリアとドナは対立していて、グロリアはその状況を終わらせようと呼びかけています。

続く A wise man once told me that … は、「ある賢い人に言われた」という前置きで、that 以下がその内容です。we resent は、「私たちは腹を立てる」という意味で、we は人間一般を指します。mirrors that show us what we don’t want to see は、「見たくないものを見せる鏡」で、that は mirrors を説明する関係代名詞です。

見出しの hold up a mirror が、鏡をかざす側の動作を言うのに対し、この言い方は、鏡という物を主語にして、同じ比喩を言い直す形です。この数行では、hold up a mirror の動詞の形ではなく、名詞の mirrors を使って、同じ比喩が語られています。

ドナは That’s ridiculous. と退け、I love mirrors と続けます。鏡が好きだと言うだけで、グロリアの言う比喩の中身には答えていません。話を受け止めずに、語られた比喩を軽く流す返事です。

グロリアは But the point is that … と、話の要点を切り出します。the point is that は、「大事なのは〜ということ」という形です。you made me see who I really am の made me see は、make + 人 + 動詞の原形で、「〜に…させた(見せた)」という意味になります。who I really am は「本当の自分」、what I have become は「今の自分」です。グロリアは、鏡の比喩を自分に当てはめて、ドナのせいで自分の姿を見せられて腹が立った、と語っています。

ドナは Stop talking. と話を止めます。sound human は「人間らしく聞こえる」という意味で、and I don’t like that と続けて、それが気に入らないと言います。褒め言葉ではなく、グロリアの言葉を止める台詞です。

鏡の比喩は、この場面で、一般論から自分の話へ降りてきます。最初は、人は見たくないものを映す鏡に腹を立てる、という誰にでも当てはまる話として語られます。次に、グロリア自身が、本当の自分を見せられて腹が立った、という自分の話に置き換えます。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

鏡は、映すだけで何も足さない道具です。この性質を、そのまま意味に写して覚えます。hold up a mirror は、誰かの目の前に鏡をかざして、映った姿を見せる動作です。映るのは相手そのものの姿で、見せる側の評価ではありません。

動詞は hold up、「かざす、掲げる」です。持ち上げて相手の前に差し出す動きが、「見せる」という意味につながります。鏡を持つのは見せる側で、映った姿を見るのは相手です。

グロリアが語った mirrors that show us what we don’t want to see も、同じ鏡の話です。見出しの形と、鏡を主語にした言い換えを並べて、同じ比喩の二つの言い方として、一緒に頭に置いておきます。

例文で覚える「hold up a mirror」

作品、批評、率直な指摘と、見せる側が違う3つの文で使い方を確かめます。

The documentary holds up a mirror to modern life.
(そのドキュメンタリーは、現代の暮らしのありのままの姿を映し出しています。)
作品の感想を述べる場面です。to のあとに映す対象の modern life を置く、基本の形です。

A: Why was he so angry at the review?
B: Because it held up a mirror to his work.
(A:彼はどうしてあの批評にあんなに怒ったの?)
(B:批評が、彼の仕事のありのままの姿を突きつけたからだよ。)
批評に腹を立てる人について話す会話です。過去形の held を使い、見せられた側の怒りの理由を答えています。

Her honest feedback held up a mirror, and I didn’t like what I saw.
(彼女の率直な指摘は私の姿を映す鏡のようで、そこに映ったものは気に入りませんでした。)
耳の痛い指摘を受けたことを語る場面です。to を付けずに、鏡をかざす動作だけを言い、あとから what I saw で映ったものを受けています。

あわせて覚えたい関連表現

reflect
(〜を反映する、〜を映し出す)
reflect は、結果として映っている状態を中立的に言う動詞です。hold up a mirror は、鏡をかざす動作が入るぶん、見せる側の動きが加わります。

shed light on
(〜を明らかにする、〜に光を当てる)
shed light on は、分からなかった事実を明るみに出す言い方です。hold up a mirror は、対象自身の姿を見せる点に重みがあります。

hit close to home
(身につまされる、図星で痛い)
hit close to home は、見せられた側が受ける感覚を言う表現です。hold up a mirror は、見せる側の動作を言う表現で、同じ場面を反対側から描きます。

Note|鏡を「掲げる」動作が、「実態を突きつける」意味になるしくみ

hold up a mirror は、構成している語の文字どおりの意味から、比喩の意味までを順にたどれる表現です。鏡という道具の性質を手がかりに、意味が生まれる流れを確かめます。

hold up は、「かざす、掲げる」という動作です。持ち上げて、相手の目に入る位置に差し出す動きを表します。mirror は、前に立った物の姿を、そのまま映す道具です。文字どおりの意味は、「鏡を相手の前にかざす」になります。

ここで鏡の性質に注目します。鏡は、映す物に何も足しません。映すのは、前に立つ人や物そのものの姿で、鏡をかざした人の意見は混ざりません。この性質を、人や社会に向けたのが、比喩の意味です。見せる側が評価を加えず、対象のありのままの姿を目の前に差し出す、ということになります。

形の上では、to が映す対象を示します。hold up a mirror to modern life なら、現代の暮らしが映される側です。グロリアの台詞の mirrors that show us what we don’t want to see は、鏡という物を主語にして、映す働きを言葉にした形です。

「掲げる」は「見せる」に、「鏡」は「ありのまま」に対応します。

まとめ|見たくない姿を映す鏡という比喩

hold up a mirror は、鏡をかざすように、人や社会のありのままの姿を映し出して見せることを表す比喩表現です。hold up a mirror to + 対象 の形が基本で、見せる側の動作を言います。

グロリアは、本人役で出演したチャールズ・バークリーが使った言葉の趣旨を受けて、「見たくないものを映す鏡に人は腹を立てる」と語りました。ドナは That’s ridiculous. と退けましたが、グロリアは、ドナのせいで本当の自分を見せられて腹が立った、と自分の話へ置き換えました。

hold up a mirror は見せる側の動作を、hit close to home は見せられた側の感覚を言う表現です。

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