「the last thing someone needs」の意味と使い方|『モダンファミリー』S07E14で学ぶ英会話

「the last thing someone needs」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

ただでさえ手一杯なのに、さらに余計な問題が重なりそうになる。「これ以上は勘弁してほしい」と言いたくなるのは、そんなときです。

そんな気持ちにぴったりの「the last thing someone needs」を、『モダンファミリー』シーズン7第14話の後半、木が道をふさいでいると言ってチェーンソーを探すジェイが、フィルと言葉を交わす場面の一言から、一緒に見ていきましょう。

目次

「the last thing someone needs」の意味とニュアンス

the last thing someone needs
意味:(人が)いま最も必要としていないもの、これ以上はごめんだと思うもの

the last thing someone needs は、ある人にとって、いまいちばん要らないもの、避けたいものを表す表現です。the last thing は「いちばん最後のもの」、someone needs は「その人が必要とする」という意味で、直訳は「その人が最後に必要とするもの」です。そこから、「必要とする順番の最後にあるもの」、つまり「もっとも要らないもの」という意味になります。

使う場面は、すでに大変な状況にあるところへ、さらに悪いことや面倒なことが重なりそうなときです。形は The last thing + 人 + need(s) + is ~. が基本で、I なら need、she や he なら needs と変わります。is のあとに、要らないものを名詞や名詞のかたまりで置きます。シーンの The last thing I need’s ~ は、I need is の is を縮めた形で、話し言葉らしい勢いのある響きになります。is のあとには、要らないものを具体的に置くため、何が重なって困っているのかが相手に伝わります。

日本語に置き換えるときは、「これ以上の~はごめんだ」「いま一番要らないのは~だ」「~だけは勘弁してほしい」のような言葉が合います。苛立ちや焦りが混じる場面に合う訳です。

【ここがポイント!】

  • 「the last thing someone needs」の核は、必要とする順番の最後にあるもの、つまりいま最も要らないもの
  • すでに大変な状況に、さらに悪いことが重なりそうな場面の表現
  • The last thing + 人 + need(s) + is ~ の型で、人に合わせて need と needs を使い分けるのがコツ

『モダンファミリー』S07E14のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

ジェイが、木が道をふさいでいると言い、チェーンソーが必要だと口にする場面です。フィルが助言を切り出しかけると、ジェイはそれに応じる形で、自分の事情を一気に並べていきます。今回のフレーズは、その中ほどに出てきます。

Jay: A damn tree’s blocking the street. I need my chainsaw.
(木が道をふさいでやがる。チェーンソーがいるな。)

Phil: Jay, I know you didn’t ask my advice
(ジェイ、俺のアドバイスなんて求めてないのは分かってるけど――)

Jay: I’m glad you noticed that. I’ve been stuck here all day. Now, I’m going to that bar! The last thing I need’s another delay. Where the hell’s the chainsaw?!
(気づいてくれて何よりだ。俺は一日中ここに足止めされてたんだ。今から、あのバーに行くぞ! これ以上の遅れだけはごめんだ。チェーンソーはどこだ!?)

Phil: It’s right there.
(そこにあるよ。)

Modern Family Season7 Episode14 (The Storm)

シーン解説と心理考察

ジェイの最初の一言は、木が道をふさいでいる状況と、チェーンソーが必要だという事情です。そこへフィルが、頼まれていないのは分かっているけれど、と助言を切り出しかけます。ジェイは、頼んでいないと分かっていてくれて何よりだ、と返します。助言を求めていないという前置きを、そのまま受けた形の一言です。

続けてジェイは、一日中ここに足止めされていること、これから行くところがあることを一気に並べます。足止めが一日続いたという事情があるため、The last thing I need’s another delay. の another が効いています。another は「もう一つ別の」という意味で、すでに積み重なった遅れに、さらに足される遅れを指します。ここから、「これ以上」という響きが出ています。

最後の Where the hell’s the chainsaw?! は、チェーンソーの場所を尋ねる一言です。フィルは、It’s right there. と短く場所を伝えます。長く並べた不満と、短い返事の落差が、足止めが続く状況を際立たせています。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

やることを優先度の高い順に並べた一覧表を思い浮かべてみましょう。いちばん上に必要なものが並び、いちばん下に、まったく要らないものが置かれます。the last thing I need は、その一覧のいちばん下に書かれたものを指す言い方です。

ジェイの一覧は、すでに一日分の足止めで埋まっています。いまさら一覧に足したいものはなく、最下段に書かれたのが、もう一つ増える遅れでした。一覧のいちばん下、と頭に置いておくと、この表現の向きを間違えずに済みます。必要なものの話ではなく、要らないものの話だと覚えておくのがコツです。

例文で覚える「the last thing someone needs」

状況に合わせて人称を変えて使える the last thing someone needs を、3つの例文で確認していきましょう。

The last thing I need right now is another meeting.
(いま一番要らないのは、会議がもう一つ増えることだよ。)
予定が詰まっている時期に、追加の予定が入りそうな日常の場面です。right now を添えると、いまの状況での話だと伝わります。

The last thing our team needs is another change in the plan.
(うちのチームがいま一番要らないのは、計画の変更がもう一つ増えることです。)
混乱している職場の状況を説明するビジネスの場面です。主語を our team に変えると、needs の形になります。

A: Do you want some more coffee?
B: No, thanks. The last thing I need is more caffeine.
(A:コーヒー、もう少しいる?)
(B:ううん、いらない。いま一番要らないのは、カフェインだよ。)
すでに眠れないほど目が冴えている相手が、飲み物を断る会話です。理由として添えると、角が立たずに断れます。

あわせて覚えたい関連表現

The last thing I want is ~
(いちばん避けたいのは~だ)
the last thing I want is ~ は、望まないことを言う形です。the last thing I need が、いまの状況に不要なものを指すのに対し、こちらは気持ちの上で避けたいことに重点があります。

That’s all I need.
(これ以上はもうたくさんだ)
That’s all I need. は、悪いことが重なったときに添える短い言い方です。the last thing I need が、何が要らないのかを具体的に述べるのに対し、こちらは重なった出来事を指して一言で言い切ります。

be the last person to do something
(最もそれをしそうにない人だ)
be the last person to do something は、last を使った別の言い方です。the last thing ~ が「最も要らないもの」を表すのに対し、こちらは「最もそれをしそうにない人」を表します。

Note|「最後に必要なもの」がなぜ「いちばん要らないもの」になるのか、last の働き

the last thing someone needs は、直訳すると「最後に必要とするもの」ですが、実際の意味は「いちばん要らないもの」です。ここでは、last の働きを軸に、その関係を整理します。

last は、文字どおりには「順番の最後」を表す語です。必要なものを優先度の高い順に並べると、いちばん最後に来るのは、まず必要にならないものです。ここから、「最後=最も可能性が低い、最もありえない」という意味に広がります。the last thing I need なら、「最後の最後まで必要にならないもの」、つまり「いま一番要らないもの」です。日本語に「最後に必要なもの」と直訳すると、「ようやく必要になるもの」と受け取られかねず、意味が逆に伝わってしまいます。

この last の使い方は、ほかの表現にも通じます。the last person to do something は、順番の最後に「それをする人」が来るため、「最もそれをしそうにない人」という意味になります。last のあとの名詞が変わっても、「いちばん後ろに置かれるほど、ありえない」という発想は共通です。型としては、The last thing she needs is more pressure. のように、人称を変えれば need が needs になります。

シーンのジェイも、一日分の足止めに加えて、another delay を最も受け入れられないものとして、一覧のいちばん下に置いていました。順番の最後が「最もありえない」を表す、という関係が見えれば、直訳との向きを間違えずに済みます。

直訳と実際の意味が逆向きになる表現は、last の位置づけが鍵を握っています。

まとめ|一覧のいちばん下に置くものを、一言で

the last thing someone needs は、ある人にとって、いま最も要らないもの、避けたいものを表す表現です。

すでに大変な状況に、さらに悪いことが重なりそうな場面で、「これ以上は」という気持ちを一言にまとめられます。主語が I なら need、she や our team なら needs と、人称に合わせて形が変わります。

一日分の足止めに、もう一つの遅れは重ねたくない。ジェイの一言は、そんな状況で口をついて出る言い方の手本になっています。

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