海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。『ビッグバン★セオリー』シーズン11第2話は、公共ラジオでの失言がきっかけで、レナードが大学に訂正声明を書かされる羽目になる回です。何かを認める場面でも、レナードとシェルドンでは言葉の向かう先がまるで違います。片や自分の失態を認め、片や相手が正しかったと認めながら、その言葉の珍しさを強調します。その二人を横から見ているペニーの茶化しと励ましも合わせて、そんな「認め方」の違いが、この回の英語の見どころです。
あらすじ(ネタバレなし)
『ビッグバン★セオリー』シーズン11第2話。公共ラジオの取材でうっかり物理学研究の停滞ぶりを本音で語ってしまったレナードが、大学側の担当者デイビスから訂正声明を書くよう求められる。同僚たちの間でも肩身の狭い思いをするレナードをよそに、エイミーとバーナデットは互いの職場の待遇や設備について軽い張り合いを見せる。夜、気分転換にリチャード・ファインマンの墓を訪れた一行は、彼の生き方を偲びながら杯を交わす。訂正声明そのものの顛末には踏み込まず、その一件をめぐる周囲の反応が積み重なっていく一話である。それぞれの登場人物が、この出来事に異なる言葉で向き合っていく。
このエピソードで学べる英語フレーズ
1. the right person for the job
適任者、うってつけの人物という意味です。
Sheldon: Well, they picked the right person for the job.
(それはまさに適任者を選んだね。)
レナードが公共ラジオの取材を受けると知り、エイミーに耳打ちされたシェルドンが皮肉交じりに茶化す場面です。
2. calm down
落ち着く、冷静になるという意味です。
Raj: Okay, calm down.
(よし、落ち着いて。)
レナードのラジオ発言をめぐってシェルドンとレナードが口論になり、ラージが間に入ってなだめる場面です。
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3. fingers crossed
うまくいくように祈ってという意味です。
Bernadette: Fingers crossed.
(うまくいくといいわね。)
エイミーの研究室で新しい機材の話を聞き、バーナデットが、エイミーの名を冠した脳の病気が見つかるといいね、と冗談を返す場面です。
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4. screw up
しくじる、へまをするという意味です。
Leonard: Look, I know I screwed up, but it was only one interview.
(しくじったのは分かってる。でもたった一度のインタビューだよ。)
学部長室に呼び出されたレナードが、自分の失態を認めつつも被害の程度を尋ねる場面です。
5. drown one’s sorrows
酒(飲み物)で悲しみを紛らわせるという意味です。
Leonard: I was, but we’re both depressed, and decided to drown our sorrows.
(そうだったけど、二人とも落ち込んでたから、酒で紛らわせることにしたんだ。)
落ち込むレナードとシェルドンが飲み始めたところに、ペニーが戻ってきて事情を知る場面です。
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6. once in a while
たまには、時々という意味です。
Bernadette: You should be able to brag about your accomplishments once in a while.
(たまには自分の実績を自慢したっていいはずよ。)
シェルドンに研究をけなされたと話すエイミーを、バーナデットが励ます場面です。
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7. stuck with
(嫌なもの・面倒なことを)押し付けられる、仕方なく付き合わされるという意味です。
Raj: And there’s nothing worse than being stuck with two whiny babies!
(愚痴っぽい赤ん坊二人に付き合わされるほど最悪なことはないよ!)
意気消沈するレナードとシェルドンを、ラージがからかう場面です。
8. change the world
世界を変えるという意味です。
Amy: I’m just saying that my research may actually change the world forever.
(私の研究は本当に世界を永遠に変えるかもしれないって言ってるだけよ。)
バーナデットとの張り合いの中で、エイミーが自分の研究の意義を語る場面です。
9. the highlight of one’s life
人生のハイライト、一番の見せ場という意味です。
Leonard: Because watching drunk Sheldon run would be the highlight of my life.
(酔ったシェルドンが走るところを見られるなら、人生最高の瞬間だからね。)
気分転換の行き先を相談する中、レナードが酔ったシェルドンをからかい交じりに言う場面です。
10. keep a lid on something
(情報などを)隠しておく、伏せておくという意味です。
Sheldon: I’m sure they keep a lid on that to avoid traffic jams.
(渋滞を避けるために、きっと伏せてあるんだろうね。)
リチャード・ファインマンが埋葬されている事実を知り、シェルドンがそれを世間に広めない理由を推測する場面です。
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このエピソードの英語学習ポイント
レナードは、公共ラジオでの失言を指摘されるたびに、まず自分の非をはっきりと言葉にします。学部長室に呼び出された場面では”Look, I know I screwed up, but it was only one interview.”(しくじったのは分かってる。でもたった一度のインタビューだよ。)と、失態を認めたうえで被害の程度を尋ねます。訂正声明への協力を頼みに行った場面でも、”Given I might be unemployed, bittersweet.”(クビになるかもしれないと思うと、複雑な気分だよ。)と、深刻な状況を皮肉めいた一言で片づけます。謝罪の言葉をまず置き、そのすぐあとに本音や皮肉を続ける言い方が、この回のレナードに一貫しています。
一方のシェルドンは、身の回りの出来事を何でも自分の理屈で処理してしまいます。エイミーに話題を振られた場面では”Walked right into that one, didn’t I?”(まんまと引っかかったね。)と、誘導質問にはまったことすら理屈で処理します。レナードの訂正声明に付き合う場面では、”Well, on the bright side, after working together for 15 years, you finally get to hear me say, “You were right.””(まあ、いいこともあるよ。15年一緒に働いて、ようやく僕から「君が正しかった」と言われる日が来たんだから。)と、レナードの研究への悲観的な見方が正しかったと認めながら、自分がそう言う珍しさを強調しています。謝る側と、認めながらも上に立とうとする側との言葉の違いが、この回のはっきりした対比になっています。
意気消沈する二人に向かって、ペニーは”That is enough. Your lives are not wasted. Your careers are not at a dead end.”(もう十分よ。あなたたちの人生は無駄になってないし、キャリアも行き詰まってなんかいないわ。)と一喝します。失態を認める言葉と、研究への落胆を語る言葉のあいだに、この一喝が割って入ることで、二人の落ち込みが少しずつ和らいでいく流れが生まれます。失態を認める言葉、相手の正しさを認める言葉、発破をかける言葉を見比べると、この回の言葉づかいの違いが見えてきます。
キャラクター別|英語の特徴
レナード|非を認めながら本音を素直に語る話し方
ファインマンの墓を訪れた場面で、レナードは”Feynman was so cool. When I was a kid, I’d put on some headphones and crank up one of his lectures and just jam out to knowledge.”(ファインマンは本当にかっこよかったよ。子どもの頃、ヘッドホンをつけて彼の講義を聴きながら、知識に浸っていたんだ。)と、憧れをそのまま言葉にします。少し後には”He was right. Physics is only dead when we stop being excited about it.”(彼の言う通りだった。物理学が死ぬのは、僕たちがそれにわくわくしなくなったときだけなんだ。)と、行き詰まりの中で見つけた納得をそのまま口にします。学部長室では自分の失態を、墓地では憧れと納得を、同じように包み隠さず言葉にしています。この回の会話の中でも、認める内容が失態から憧れ、そして納得へと移り変わっていく様子が、この一連の発言から浮かび上がります。認めるべきことをそのまま言葉にする素直さが、この回のレナードに一貫した話し方です。
シェルドン|出来事を自分の功績に結びつける話し方
レナードが理屈で自分を責めているそばで、シェルドンはまったく違う理屈を組み立てています。物理学者でなかったら何になっていたかを話す場面で、シェルドンは”It’s fine. I don’t need to be a theoretical physicist. There’s lots of things I could use this brain for. I could be an accountant for the mob. I could guess people’s weight at the fair.”(いいんだ。理論物理学者である必要なんてない。この頭脳を使える仕事はほかにもたくさんある。マフィアの会計士にだってなれるし、縁日で人の体重を当てる仕事だってできる。)と、投げやりな空想を理屈で並べ立てます。ファインマンの言葉を思い出した場面では、”Um, I’m the one who remembered it. Give me the bottle.”(それを思い出したのは僕だよ。ボトルをよこして。)と、周りの感傷にすかさず自分の手柄を差し込みます。諦めの言葉であっても理屈の形を崩さず、感傷の場面でも自分の功績を数え上げずにはいられません。皮肉のつもりではなく、あらゆる状況を自分を起点にした理屈で語り直そうとする姿勢は、この回を通じて一貫しています。状況がどう転んでも自分中心の理屈に結びつける話し方が、この回のシェルドンの際立った特徴です。
ペニー|からかいと励ましを同時に放つ言い方
学部長室に呼ばれたと聞いたレナードに、ペニーは”Ooh, look at my bad boy getting called to the principal.”(あら、うちの悪い子が校長先生に呼び出されちゃった。)と茶化します。落ち込む面々を前にした場面でも、”Come on. You guys are physicists. Okay? You’re always gonna be physicists. And sure, sometimes, the physics is hard, but isn’t that what makes it boring?”(ねえ、あなたたちは物理学者でしょ。これからもずっとそうよ。確かに物理は難しいときもあるけど、だからこそ退屈なんじゃない。)と発破をかけますが、励ましの締めくくりに滑り込む「退屈」という言葉が、真剣さを軽くほどいています。深刻になりすぎた空気を、からかいの一言で緩めてから励ます。その順番も含めて、ペニーらしい発破のかけ方です。レナードのように非を認めるでもなく、シェルドンのように理屈で自分の手柄に変えるでもない、からかいと励ましを同時に放って場の空気を動かす話し方が、ペニーの軸です。
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