海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ビッグバン★セオリー』シーズン12 第17話から、babysitting と parenting の違いを取り上げます。学会へ出かけるバーナデットと、子どもたちと留守番をするハワードの短いやり取りが起点です。
どちらも「子どもの世話」と訳せそうな2語ですが、劇中では誰の口から出るかで選ばれる語が変わります。前置詞ひとつで印象が変わる言い方とあわせて、その使い分けを見ていきます。
「babysitting」と言わないで、の意味
出かける支度を終えたバーナデットに、ハワードが軽い調子で請け合います。そこからの短いやり取りです。
Howard: I think I’m capable of babysitting.
(子守くらい、俺にもできると思うけどな。)Bernadette: Don’t call it babysitting; they’re your children. It’s called parenting.
(子守なんて言わないで。あなたの子どもでしょ。それは子育てって言うの。)Howard: What’s the difference?
(何が違うんだよ?)Bernadette: You don’t get paid.
(お金がもらえないこと。)Howard: Oh, sounds like I do get paid. Don’t worry. I got this covered.
(おっと、もらえるみたいだけど。心配すんなって。俺に任せとけ。)TBBT Season12 Episode17
babysit は、一般に親に代わって子どもを一時的に預かり、世話をすることを指します。ベビーシッターのように、報酬を受け取る仕事として使われることが多い語です。
一方の parenting は、親として子どもを育てること全般を指します。バーナデットが「お金がもらえない」と違いを一言で示したのは、babysit に含まれやすい「よその子を預かる仕事」という響きを逆手に取った返しと読み取れます。
ハワードの最後の返事は、バーナデットが続けて伝えた「テーブルに食費を置いておいた」という言葉を報酬に見立てた冗談です。I got this covered. は「任せて」「ちゃんとやっておく」と請け合う、くだけた言い方として覚えやすい形です。
| 語 | 主に誰が使うか | 響き |
|---|---|---|
| babysit / babysitting | 親以外の人 | 一時的に預かる・頼まれて世話をする |
| parenting | 親 | 親として育てる・日々の子育て |
立場で入れ替わる言葉と「on」「with」
別の場面で、ハワードが友人たちに「今週末、うちに来ないか」と誘います。ラージの聞き返しから、今度は同じ語をめぐって立場の違いが浮かび上がります。
Raj: So we can help you babysit?
(つまり、子守を手伝えってこと?)Howard: Uh, it’s not babysitting. They’re my children.
(いや、子守じゃない。俺の子どもだぞ。)Leonard: They’re not our children.
(僕たちの子どもじゃないけどね。)Howard: Oh. Well, for you guys, then, it is babysitting.
(ああ。じゃあ、お前たちにとっては子守だな。)TBBT Season12 Episode17
親であるハワードにとっては parenting でも、手伝う友人たちから見れば babysitting になります。for you guys と立場を添えるだけで、同じ週末の過ごし方を言い分けているのが面白いところです。
後の場面では、ハワード自身が「バーナデットは俺の parenting skills が低いと思っている」と話しています。parenting が「親としての力量」を語る語として使われているのが分かります。
同じ場面で、シェルドンが赤ちゃんを相手にした実験の本を持ち込みます。ラージとハワードはそろって You can’t experiment on ~ kids. と止めますが、少しあとでハワードは言い方を変えます。
Howard: And it’s not really experimenting on the kids. It’s more like experimenting with the kids.
(それに、子どもを実験台にするってわけじゃない。どっちかっていうと、子どもと一緒に実験する感じだ。)Amy: Well, I guess if you think about it, it’s kind of like playing games with them.
(まあ、考えてみれば、あの子たちと遊んでいるようなものかもしれないわね。)TBBT Season12 Episode17
experiment on ~ は「〜を対象にして実験する」で、相手を実験台として扱う響きがあります。experiment with ~ は、ここでは「〜と一緒に試す」という向きで使われています。前置詞を on から with に替えるだけで、受け止め方が変わるという場面です。
まとめ|語の選び方に立場が出る
babysitting と parenting は、同じ子どもの世話でも、親が言うか他人が言うかで選び分けられる語です。experiment on と experiment with も、前置詞ひとつで相手の扱い方が変わって聞こえます。語の選び方に立場が表れることが分かると、英語の会話が読み取りやすくなります。
次回も『ビッグバン★セオリー』と一緒に、英語の言い回しを楽しんでいきましょう。
同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、この回の英語がより立体的に見えてきます。


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